タイトル

隠蔽捜査3.5 -初陣-

本

今野敏

◆あらすじ◆
隠蔽捜査番外編、刑事部長伊丹の憂鬱

●感想

 隠蔽捜査シリーズの番外編、今回は警視庁刑事部部長・伊丹俊太郎のお話です。いつも颯爽としている彼ですが、その実何かと気苦労が多いようです。
 上にもマスコミにも部下にも常に受けが良いようにセルフプロデュースしている彼ですが、それはコンプレックスの裏返しのようです。自分は東大法学部卒じゃないため、入った時点で周りよりも不利であると自覚しています。そのため他の官僚とは違う武器を欲しがりました。その結果が現場主義。物分りの良い上司を演じること。
 彼は同期で幼馴染の竜崎のことを特別気にしています。階級は同じ、役職は伊丹の方が上でも、どこか竜崎にはかなわないと思っています。竜崎は変人ですが、伊丹は常識人で世間が自分に求めていることを把握しています。どちらかというと周囲の期待に応えようとする伊丹の方にみなさん共感できるのではないでしょうか。まぁ竜崎だったら「世間に迎合する必要なんてない、それは小物のやることだ」とか言いそうですが。
 いつもは助けてもらうことが多い伊丹ですが、遂に借りを返す機会に恵まれます。刑務部長の悪戯?で竜崎に美人のキャリアを秘書としてつけます。今まで色恋沙汰などほとんど経験したことのない竜崎が、アタフタすることは必至。そこで百戦錬磨の伊丹の出番というわけです。いつも泰然としている人間の慌てふためく様というのは滑稽でおかしいでしょう。顔はこうなるはずです、にんまり★
 この本で伊丹の人となりがわかってきます。常に人からどう見られるか気にして生きていく姿に共感が持てます。それは普通のことなのに、近くに竜崎という人間がいるから、そんなことを気にする自分が小さい人間に感じてしまいます。こういう人間臭いところがとても好きです。2人のコンビネーションを違う視点から見れるのはこの巻だけ!

【名言】

準備中



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