タイトル

TUGUMI

本

吉本ばなな

◆あらすじ◆
離島で暮らす病弱な美少女の生活

●感想

 高校生になって1番初めに読んだ本がコレです。なぜかというと中学から高校に上がる春休みの課題がこの本についての読書感想文だったからです。吉本ばなな?なにそれ?と思って読みましたが、なかなか面白かった記憶があります。そして再び読んでみたら普通でした。
 病弱で口が悪いが美しい容姿を持つ高校生のつぐみが、島に引っ越してきた大学生と恋に落ちる、というストーリーです。うん、惹かれる紹介文ですね。キャラ設定がなんかこうツンデレを感じさせます。口が悪く意地悪なのにつぐみは愛されています。つまり悪意はないのです。ちょっとひねくれてるだけなのです。そして自分の病弱さすら脅しの道具として使う狡猾さがあります。例えば「優しくしとかないと、もし明日私が死んだら後味悪いぞ~」とか言います。これもしかしたら周囲に気を遣わせたくないつぐみの心遣いなのかもしれませんね。こういう言い方しないと、周囲が腫物を触るみたいな扱いをしてしまうかもしれないから。そんなのつぐみには耐えられない苦痛なのでしょう。言わば口が悪いというのはつぐみなりの配慮であり、自己防衛なのかもしれません。
 そして、つぐみは物凄い激情を放ちます。ひとたびそれにかられれば病弱がなんのその、目的のためには自身の身体を省みず行動します。それこそ自分の人生と引き換えに、相手の人生をも終わらせようとする勢いです。くわばらくわばら。身体が弱い女性だからといって舐めてはいけません。
 さて、引っ越してきた男・恭一ですがただ者ではない目をしています。あれよあれよという間に島一の美少女つぐみと恋仲になるラッキーボーイです。他の男たちの前でははんなりよそいき顏をするつぐみが初めから素を出せた稀有な男性のようです。そしてその直感は正しく恭一はわがままを黙って聞き入れます。むむ…小癪にも器のでかい男のようです。
 再読してみたら昔ほどには面白くなかったのは事実です。こういうことあるんですね。成長というよりは変化なんだと思います。自分の中の経験が価値観や感じ方を変えてしまったのでしょう。それでもみずみずしい物語は自分の10代の頃を思いださせ、ちょっと若返らせてくれたように思います。気恥ずかしいことも思い出しましたが。少女から大人へと移りゆく季節の、二度とかえらないきらめきを描く、切なく透明な物語です。

【名言】

準備中



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