タイトル

タックスヘイヴン

本

橘玲

◆あらすじ◆
金儲けと友情の物語

●感想

 面白い経済小説が読みたいな〜と思っていたところこの本をお薦めされました。タックスヘイヴンというタイトルからして、どこかの経済特区で金儲けする話かな〜と想像していましたがちょっと違いました。もちろん金融の話もあるのですが、比重でいうとミステリーの要素が強かったです。それでも面白いことに変わりありません。
 物語の主人公は2人。高校の同級生のサトルとタスク。サトルは翻訳業を営む個人事業主。タスクは外資の金融機関に勤めていたがそれを辞めフリーの金融屋になる。事件の発端は2人の同級生である紫帆の夫がシンガポールで死んだことだった。1人で行くことに不安だった紫帆はサトルに同行をお願いする。シンガポールに行くと衝撃の事実が次々と明らかになり、2人は事件に巻き込まれていく。というのがあらすじ。
 金融屋と書いたのはどの言葉が当てはなるか判断しかねたからです。近いのはバンカーかフィナンシャルプランナーですがどうにも違う。金融のゼネラリストみたいなものです。違法はしないけど脱法は行うみたいな。法律と金融の両方に強い奴はきっと大金持ちになれるでしょう。この小説を読んでそう思いました。タスクはまさにそれでお金にまつわる問題を解決して報酬を得ています。それも半端な額ではなく一仕事〜千万みたいな。しかもノウハウを使ってきっと非課税にしているでしょう。丸儲け。
 だから物語は紫帆とサトルが右往左往しているのをタスクが陰ながらときには陽に当たりながら助けるという展開です。三角関係と呼べるかどうか、3人の関係はいささか複雑なようです。それでも高校の同級生が大人になっても助けてくれるというのは素敵ですね。私の同級生は助けてくれるでしょうか。疑問です。
 ミステリーやサスペンスが好きな方にもウケる小説だと思います。もちろん金融が好きな方にも。もの凄く取材、研究、勉強して創られた物語という印象を受けました。だから興ざめることは普通の読者だったらないと思います。金融に精通している人だったら「いやいやこれはないでしょ〜」と思うシーンがあるかもしれませんが私にはわかりません。

【名言】

 おれもお前も人はみんな自分の利益を最大化するために生きている



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