タイトル

ハゲタカ外伝-スパイラル-

本

真山仁

◆あらすじ◆
今回の主人公は芝野さん!

●感想

 ハゲタカに1話から出演している芝野さんが主役のスピンオフ作品。芝野健夫、三葉銀行時代はNY勤務でエリート街道まっしぐらのおぼっちゃん路線でしたが不良債権処理を任された辺りから逞しくなっていく。それでも鷲津には敵わずいつもいいようにあしらわれている印象がぬぐえない。良く言えば努力の人、優秀ではあるが天才ではない。本編の主人公である天才鷲津や怪物飯島とはちょっと格が違います。
 そんな芝野さんの話だからハラハラします。結局本来の主人公である鷲津は潤沢な資金もあるし、仲間にも恵まれているし、そして彼自身の実力も尋常じゃないため危なげがほぼありません。鷲津と比べると凡人の芝野さんの話だからかより入り込むことは出来ました。
 大阪の町の工場の立て直しを目指します。創業社長は難波のエジソンと呼ばれるくらい発明の天才で、小さな工場ながら独自の技術があるためそこそこやっていけてました。が、この社長が亡くなってしまいます。彼におんぶに抱っこだった会社は窮地に陥ります。ましてこの不況、内部環境だけではなく外部環境も最悪です。そんな中曙電機の再生を終えた芝野が次のキャリアとして銀行員時代に付き合いのあった町工場・マジテックの専務となります。これが冒頭。
 偉大な人物というのは金の使い方を知っているようです。この創業社長間違いなく傑物で自分の才能はもとより、人を見る目と大きな器が魅力です。彼の死後行き詰っていた会社ですが彼の生前の投資が会社を助けます。死して尚会社を守るなんて格好良すぎですね。なにを隠そう鷲津も彼の恩恵を受けた内の1人。そして最後の最後には予定調和かもしれませんが粋なはからいをします。
 鷲津のようにいつも一緒に戦ってくれるずば抜けた仲間はいませんが、芝野さんの人柄からか周りにそれとなく優秀な人が集まってきます。でも基本的には芝野さんは1人で責を負います。そんな芝野さんが主役ですから本編のようにスケールの大きな話ではないですが、その分地に足の着いた今もどこかで起こっているような話です。本編よりはちょっと落ちますが十分面白い作品です。

【名言】

考え中



©Copyright 2014 Revel in the Novel All Rights Reserved.