タイトル

双頭の悪魔

本

有栖川有栖

◆あらすじ◆
家出少女マリアを迎えに

●感想

 無人島で身内のゴタゴタがあったマリアはふさぎこんでいた。気分転換がてら昔転校した友達に会いに行くことに。それは人里離れた村だった。さらにその奥には芸術家たちが集う排他的な集落が。ひょんなことからマリアはその集落に行き、そこで暮らすようになる。親が迎えにいっても帰ってこないマリア。困った両親は大学のマリアの所属する推理研究会の面々に連れて帰ってくるように依頼するのだった。
 毎度毎度クローズドサークルを作るために様々な趣向が凝らされています。まずはどうやって状況を作るか、ここから始めなければなりませんね。そして今回はマリアがいる村には江上さんのみが侵入でき、他の面々は川を挟んだ村に取り残されます。この本は約700ページの大作。この川を挟んだ2つの場所で事件が起こります。果たして江上さんがいない方は大丈夫なのか!?
 約700ページの大作のため本当に謎を解こうという意志を持って読んでないと犯人の目星はついても謎までは解けません。なぜなら謎解きの場面に辿り着く頃にはきっと誰が何時に何したかとか覚えてないからです。私がそうです。ただ読書を楽しむという私のスタイルではダメでした。
 この物語の主人公は誰か。物語の語り部はアリスとマリア。でも謎解きをするのは常に江上さん。語り部が主人公ということになるのでしょうね。語り部が謎解きをしないことで読者は語り部と同じ視線で推理者である江上さんを見れるのかもしれません。さも自分がその場にいるかのように。
 とはいっても今回はアリスサイドがあるわけで、3人は頼れる先輩がいない中で謎解きに挑戦します。江上さんのようにスマートには解けませんがあーだこーだ悩みつつ謎を解きます。よく聞く言葉で「立場が人を変える」というのがありますが、江上さんという精神的支柱がいない立場が3人をより考えさせたのではないでしょうか。「江上さんはいない、自分たちで謎を解くしかない」と。
 長い分読み応えがありました。謎解きはほとんど出来なかったのですが、ストーリーで十分楽しめました。ある種のトリックにはすぐ気づくことが出来たし。でもこれに気づけたのは同じネタの本を読んだことがあるからだと思います。経験って大事ですね★

【名言】

準備中



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