タイトル

任侠書房

本

今野敏

◆あらすじ◆
ヤクザ屋さんが出版社を経営

●感想

 これは珍しい作品かもしれません。中身が珍しいという意味ではなくて本自体が珍しい気がします。というのは私は本屋さんに行ったらまず間違いなく今野敏の作品を物色します。それなのにこれまでこの作品を見たことはありませんでした。だから見つけた時「ん、なんだこれ?」となりました。といっても私が行く本屋さんなんてある程度固定だから見つけられなかっただけかもしれませんが。
 さて中身はちょっと異色なお仕事小説です。ヤクザが潰れそうになった会社の経営をします。それも金のためではなく組長の道楽で。もしかしたら実際ちょっと堅気の仕事に憧れている部分もあるのかもしれませんね。
 私の中では今野敏といえば警察小説のイメージです。それが真逆であるヤクザが主役の小説を書いてるとあっちゃあ興味深々です。特に潜入捜査ではヤクザの嫌な部分が強調され、社会にいるべきではない存在として描かれていました。今回は逆です。暴力団としての性質は鳴りを潜め、昔ながらの任侠団体としての側面が強く出されていました。この作者は本当にフラットな視点を持って小説を書いていると思います(←何様?)。
 さて警察小説を書く上できっとヤクザについても調査・取材したでしょう。ある一つの事柄を調べた時、それに付随した情報も得ることが日常生活においても多々あります。小説家という職業において取材はものすごく大事だと思います。きちんと取材してあるかは読む人が読めばきっとわかります。それがそのまま小説のリアリティに繋がってくるからです。取材が甘いリアリティのない小説などは薄ら寒くて読めたものではないと思います。
 そういった意味ではファンタジー小説というのは異色。取材はたぶん他のジャンルよりも少ないでしょう。ですが自分の脳内で物語から世界観、キャラクターまでを創造するのだからその労力は半端ではないはずです。取材を綿密にするか、想像と創造に労力を割くか…小説家になるとしたらここから考えるのもアリかもしれませんね。
 この作品に関する感想が疎かになってしまいました。でもここから細かく書く気はありません。この作品は娯楽要素が強く、肩肘張らずに読めます。また、今野敏らしく読みやすい文章であらすじだけ見ると色物ですが、決して寒くはない小説です。

【名言】

準備中



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