タイトル

人間失格

本

太宰治

◆あらすじ◆
葉蔵の恥ずかしい人生

●感想

 文語調の本は読めなかったのですが、初めて読み切ることができました。あまりにも有名な太宰治の人間失格。簡単に言えばプー太郎の話です。典型的な金持ちのボンボンが働くことができない。メンタルが弱くて人と上手くコミュニケーションをとることができない。怠惰で薄っぺらい。ただ人間そして失格と言えるほどには堕ちていないと思います。
 青森の裕福な家に生まれ、生まれながらに嫌らしい子供でした。どうすれば人が喜ぶかを察知して、その通りに動いて大人たちを喜ばせます。簡単に言えばピエロを演じて好かれる術に長けていました。それが後々のアダになったようです。調子ばかりが良い大人になってしまいました。そんなのがいつまでも通用するわけないのに。なまじ顔が良いものだからヒモになってしまう。土台チヤホヤしてくれるところでしか生きられないのです。自分を厳しく律することができない。葉蔵はそんな人間です。
 ただ子供が良い子供を演じることはそこまで悪くないと思います。親の期待を察知してそれに応えようとするのは至極自然で理想の形ではないでしょうか。葉蔵はピエロを演じることだけに長けていました。だからそれを見破られると一気に崩れてしまいます。精神の未熟さ故です。ここでピエロを演じるには限界があることと、それが通じない人もいると気付けたら人間を失格しなかったでしょう。ところが逆に振れてしまいました。より上手く演技して誰もを欺く方に向かったのです。ここが一番の失敗だったと思います。誰か良識ある大人が気付きそれを正してやるべきでした。彼の不運はそうした大人が近くにいなかったことです。彼の人生は短くして崩壊していきます。
 面白いかと聞かれたら大して面白くない、と答えます。教養として読むにはいいかもしれません。有名な作品だし、熱烈なファンもいますし。それに何度か読んでいたら本当に好きになれるかもしれません。私はまだまだ好きになれなそうですが。

【名言】

 情熱とは、相手の立場を無視する事かも知れません



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