タイトル

何者

本

朝井リョウ

◆あらすじ◆
就活する大学生の巻

●感想

 今風な小説です。twitterとかSNSが物語の大きな鍵になっています。小説や歌の歌詞というのは時代によってかなり変わりますね。昔は十二単を着て月の夜に人目を忍んで文を読んだりしたのに、今は一瞬でメッセージを送れます。便利にはなった、しかし情緒という面では圧倒的大敗の気がします。
 主人公は一歩引いたところから周りを見る感じのいわゆる俯瞰型です。斜に構えて人を分析するのが癖のよう。誰かが痛い事やってたら心の中で蔑み、自分の優位性を保ち、周りにそれを認められたいタイプ。この主人公の目線で物語は語られます。他の登場人物でTHE大学生みたいなのがいます。なにかにつけてSNSにアップし、自分は今こんなことに興味があるんだ、俺は(私は)周りとは違うんだ!ということを周りに知らせたいタイプ。最近本当に多いですよね、自撮りする人。喫茶店とかでもしてますよね。今私はこんなに仲が良い可愛い友達といて、お洒落な格好してお洒落な物食べてるの★私たちって最高にイケてるでしょ!ていう自己アピールが最高にダサい。それを周りから認めてもらわなきゃダメなのか。不安なのか。自分たちの中だけで納得できないのか。羨ましがられなきゃ気がすまないのか。ばかばかしい、もっと他にやることあるだろうが。
 申し訳ありません、ちょっと熱くなってしまいました。正直、この小説はこういった若者のイヤらしい一面が結構出てきて苛立ちます。でもきっと作者はそうゆうタイプではなく、間違いなく周りで観察して面白がってるタイプです。面白がっているというのがミソで、主人公のようにバカにはしてない感じがします。ちょっとはしてるかもですが。この小説をまさに「私を見て、褒めて、認めて」というタイプの女性に読んでもらいたいです。そしてどんな感想をもつのか聞いてみたいです。これで凄く不愉快で面白くない、と言ったら多分自己承認バカ野郎でしょう。
 俯瞰型の人間は人に害を与えないかもしれませんが、その実薬にもなりません。人の事を見下しているからといって、自分がその人より上にいるわけではありません。自分で勝手に上だと思っているだけです。別にその人の人生だからずっとそうやって生きてりゃいいと思います。本人はきっと中身のない薄っぺらな人間だと気づかず、味気ない人生を送ることになるでしょう。もし、誰かがそれを指摘してきたらそれはその人の事を気にかけてくれる数少ない善人です。そっぽむかずに耳を傾けたいものです。

【名言】

準備中



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