タイトル

メタボラ

本

桐野夏生

◆あらすじ◆
底辺の2人がなんとか生きていく

●感想

 桐野夏生の作品を読むの2度目です。最初は「グロテスク」を読みました。そして今回は「メタボラ」、2つとも人間が凋落していく様を描いています。そうゆうのが得意な作家さんなのかな。もっと他の作品も読んでみないとわからないや。
 主人公が山で佇んでいるところから物語は始まる。しかも記憶喪失つきで。そしてこの山で準主人公である昭光と出会う。2人は逃げるように山を下りなんとか生活していく。こんなストーリー。
 金がないということの恐怖がわかりました。この国は金がないと何もできない。飯を食うことも、安心して眠ることも。金がないと犯罪に手を染めやすいな、とも思いました。つまり食べ物や生活必需品は盗むしかないのです。生きるために。2人はなかなか逞しく…もとい図々しく生きていきます。昭光は顔の良さを利用して女性の家でヒモになったりホストになったり。主人公のギンジは最初は昭光に便乗して最低限の生活を確保して、徐々に真っ当な生活が出来るよう努力していきます。
 今作では金がない生活の大変さともう一つ、恋の危うさが描かれているように感じました。2人とも徐々に人並みの生活に近づいていきますが、それを崩すのは"恋慕"です。経験のある方もいるかもしれませんがこれの持つエネルギーは甚大です。人の判断を狂わせ、本来ならありえない行動をとらせます。ブルブル。これさえなければ安定した生活を手に入れることが出来たでしょう。
 私事ですが恋慕の脅威を知っています。後から冷静になって考えると、明らかに間違っているとわかる選択肢を平然と選んだことがあります。これがなければもっと生きやすいとも思いますが、どこか物足りない人生だなと感じることになるかもしれません。

【名言】

考え中



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