タイトル

虚像の砦

本

真山仁

◆あらすじ◆
テレビ局の中立公正を守る

●感想

 真山仁のテレビ物ということで期待して読みましたがちゃんと期待に応えてくれました。大体期待は裏切られること多いのですが本作はちゃんと面白かったです。ハゲタカの時も感じましたがリアリティが凄い。適当ではなく綿密で膨大な取材の上に成り立った物語だということをひしひしと感じました。他にも取材をちゃんとしてると感じるのは三浦しをんと今野敏です。いや全作家がもちろんそうなんでしょうが。
 テレビ業界の小説を読んだのは初めてです。嘘かも、読んだことあるかも。大筋はテレビ局対政府。事件を報道しようとするが、それを流されたのでは具合が悪い政府はテレビ局に圧力をかけてくる。名目上は憲法で表現の自由が規定されている以上テレビ局優位に見えますが、一筋縄ではいきません。なにやら数年に一度テレビ局業務の審査があってそれに通らないとダメな模様。要するにあまりに政府に反抗的だとその審査の時に仕返しされちゃうということです。汚いですね。表現の自由を保障しておきながらなんやかんや介入して情報を操作しようとしています。海千山千の世界なんでしょうね。この小説に書けないようなことも実際には起こっているのでしょう。怖や怖や〜
 テレビ局職員といえば激務だけど高級取りという印象。熱いジャーナリズムを持って入社しても、既得権やご機嫌伺いなどの悪しき習慣にすぐ染まってしまいそう。だってその方が楽でお金いっぱい貰えるし、普通に生きる分には良いことしかないもの。しょうがないですね。だからテレビ局の記者は筋金が入っていないとすぐ骨抜きになるのでしょう。本作主人公の風見は局員であるのに気骨のある男です。
 厚めの本ですが一気に読めると思います。最初から最後まで結構怒涛の展開で山あり谷ありです。ただお洒落で何も起こらない波風が立たないような小説も最近流行っているようですがそんな小説は基本的に嫌いです。気取った感じがして。これは熱く無骨な男の泥臭い闘いの話です。

【名言】

 考え中



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