タイトル

ララピポ

本

奥田英朗

◆あらすじ◆
あまりイケてない人たちの群像劇

●感想

 奥田英朗ということである程度の期待をして読みました。結論から言うと面白かったです。特別に面白いというわけではないですが、物語が複数あるため休み休み読むという人に向いているかもしれません。
 それぞれ関わりがある人たちが描かれています。1人例を出すと、ライターをやっている男がいます。自己評価と周りからの評価が一致していなく、実力と自尊心が一致していなく、自尊心の方が圧倒的に大きいタイプ。いわゆる見ていて痛い人ですね。その人の楽しみは上の階に住む男が連れ込む女とのセックスの音を聞くこと。この主人公はよく図書館に行くのですがそこでよく会う女に誘惑される。女の誘いに乗って部屋に行くと言わずもがなの展開になる。
 で、次の話は上の階の男の話で、その後に誘惑した女の話があるという感じ。世の中の下層にいる人たちにスポットを当てています。この小説を読んで面白いのはこの人たちより上にいる人たちでしょう。上にいる人たちはこれを読んで世の中にはこんな奴らもいるんだ、とちょっと優越感を感じるはずです。自分のランクもそんなに高いわけではないのに。上を見ればキリがないように下を見てもキリがありません。
 そもそも人はどこかで他人と自分をランク付けしているはずです。いや私はそんな下卑たことしないという立派な人、どこかにはいると思います。ただ多くの人は意識的に無意識的にしているはずです。それはしょうがないことで現実に見えないランクが存在しているからです。それは学生時代から始まっています。学生は見た目でそれが決まってしまうため残酷です。努力のしようがないから。
 大魔王バーン様も言ってました。主人公たちに優越感を感じたことはないか、と。勇者たち一行でさえ答えに詰まっていました。あの品行正しい勇者たちでさえ感じてしまうのです。そりゃ勇者でもない私たちが感じるのは仕方ないことでしょう。だからもう開き直って優越感感じましょう。今の自分の生活に嫌気がさしたらこれを読んで「あ、自分まだマシだな」と優越感に浸りましょう。何も悪くないと思います。思う分には。

【名言】

 世間は広い。おそらく世の中は、罪の意識を持つだけ損するようにできているのであろう。



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