タイトル

小暮写真館-下-

本

宮部みゆき

◆あらすじ◆
ちょっと評判になった心霊写真バスター

●感想

 下巻です。花菱家に焦点が当たります。花菱家には風子という娘がいました。主人公・英一の妹でピカの姉だった人物です。いました、と書いたように今はいません。上巻から死んだ事実は語られてきましたが、詳細は語られていませんでした。ここで知ることになります。その時何があったかを。
 ピカはずっと小暮さんの幽霊を探していました。それは死んだ風子に謝りたかったからです。ピカは姉が死んだのは自分のせいだと思っていました。ピカも同じ時に体調を崩していて母親がピカにつきっきりになっていたからです。ただ、父と母と英一も自分のせいだと思っています。悲しくて優しい話です。
 もう一つ大きなことは英一の恋愛です。相手は上巻から登場していた垣本順子。恋愛と言って良いか微妙なところですが、お互いに憎からず想っていたのは確かです。そこも独特な関係で、読んでいてやきもきしました。家族構成や友人の性質上、英一の性格はしっかり者に醸成されてました。ただし、若干固いところがありました。年上の垣本順子との出会い、付き合っていく中で英一は確かに変わっていきます。どう変わったかを書くのは難しいので読んで感じてください。
 全体を通して悲しい話の中に優しさが溢れています。誰にも人生があり、楽しいことや悲しいことがあることを描いています。普通の人生そのものです。さっぱりした嬉しくなるなるような終わり方で、読み終わった後何かが浄化された気分になります。

【名言】

 泣かせようなんて、これっぽっちも思わないんだよ。幸せにしようって、いつも本気で思ってるんだよ。だけどね、何でか泣かせちゃうことがあるんだ。



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