タイトル

小暮写真館-上-

本

宮部みゆき

◆あらすじ◆
高校生心霊写真バスター

●感想

 宮部みゆきといえばミステリー、それもシリアスな話の印象が強い私です。『火車』『模倣犯』が代表作だからでしょうか。本作はミステリーでありながら、ちょっと趣が違います。代表作が陰のミステリーだとすれば、これは陽のミステリーです。話が明るい訳ではないですがそう感じました。4つに分かれた話のどれもに人の暖かさが垣間見れるからだと思います。
 上下巻で上巻には2話収録されています。1つ目の話は昔小暮写真館で撮ったと思われる写真が女子高生から持ち込まれて話が始まります。心霊写真です。この写真の真相を探るのが主人公・花菱英一です。みんなから花ちゃんと呼ばれてます。家族からも。家族は変わっていますが、芯は優しく人間らしい人たちです。というか登場人物のほとんどが変わっているけど優しい人たちです。だから全体的に陽のミステリーと感じたんだと思います。
 家族以外の人たちもキャラ立ちしています。主人公の親友・テンコは父が歯医者の金持ちで才能に満ち溢れて女の子にもてます。コゲパンは家が甘味処で色黒。あとは小暮写真館を扱っていた不動産屋の面々。物語は英一視点で語られ、他の人たちは英一に協力するといった感じです。
 話の具体的な内容についてはほとんど書いていないですが暖かいお話です。心霊写真というと怖そうですが、幽霊が写っているのではなく生きている人の思念が写り込んでいる写真です。結末がしっかりしているのも私好みです。曖昧な感じではありません。心霊ものだから曖昧でも全然おかしくはないけどね。むしろそっちの方が自然だけど。

【名言】

 人は語りたがる。秘密を。重荷を。 いつでもいいというわけではない。誰でもいいというわけではない。時と相手を選ばない秘密は秘密ではないからだ。



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