タイトル

カラスの親指

本

道尾秀介

◆あらすじ◆
人生を取り戻す最後の詐欺

●感想

 これは面白い!展開も登場人物も私好みです。映画も見てみたくなりました。登場人物の暗い過去とかそういったものを全て昇華して救いのあるラストが本当に良かったです。
 許す側と許される側では圧倒的に許す側が強いです。許される側は負い目を感じて多少の無理は聞こうとするでしょう。相手の負い目を軽くしてあげるために、わざと無茶を言ってあげるのも優しさかもしれません。そう考えると、それを逆手にとって相手が許せなったらずっと借りを返させないのも復讐の1つですね。これの前提は相手が良心を持っていることです。恩・義理・人情といったものを持ち合わせていない人は許されようとも思わないでしょう。
 このお話の主人公は人を人たらしめている感情をきちんと持っています。暗い過去があり許される側の人間です。そして許されたいと思っていたかはわかりませんが、後悔をして罪を償いたい気持ちをずっと持っていました。ひょんな事から償うチャンスが与えられます。もちろんそれで全ての罪が許されるとは思っていませんが相手を助けます。下心はありません。だからこそ双方に救いがきたのだと思います。救いというのは許されたいと思っている人間にはこないものであってほしい。許されなくていい、でも罪は償いたい、そういう人にだけ来てほしいと思います。願望です。
 さて、帯にも書いてあるように大どんでん返しのあるお話です。看破できる確率は10%くらいらしいです。でも騙されても気持ち良いです。人の優しさに満ち溢れた心温まる小説です。

【名言】

考え中



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