タイトル

顔に降りかかる雨

本

桐野夏生

◆あらすじ◆
友達の突然の失踪、真実はいかに

●感想

 メタボラがそこまででもなかったので、期待はそれほどしてなかったのですが面白かったです。桐野夏生はミステリー小説の方が面白いようです。色んなジャンルの小説がありますがやっぱり作家によって得意、不得意はあるのでしょうね。例えば三浦しをんだったらコミカルな青春物が抜群ですが、『光』は全然でした。初めて三浦しをんの本で面白くない、と感じました。
 主人公のミロは心に傷を負っていた。自宅で静かに過ごしていた所に来訪者が現れる。親友の彼氏だ。理由は親友が失踪し部屋に置いていた1億円も同時に無くなっていたとのこと。そこで親友であるミロが匿っているのではないかとやってきたのだ。2人は親友と1億円を探すのだった。
 とまぁこんな感じのお話です。泥沼ありーのロマンスありーの人間不信ありーので人間の様々な感情が描かれています。どちらといえば醜い方の感情です。素直に正直に質素に生きるのが1番だと再認識させられました。背伸びなんかしてもロクなことない、身分相応に生きなきゃね。
 主人公のミロは特別な人間ではありません。特殊な力があるわけでもないし。ただ、才能なのかそれとも無意識の経験値なのか捜査の勘所を感覚で捉えているようです。超人的でないからこそ共感することができ、応援する気になるのかもしれません。SF物が苦手な私としてはこういう地に足ついた状況を想像出来る小説が好きです。
 ミステリーとしてもよく出来た作品です。ただし海外のシーンのところはちょっとわかりづらかったです。政治的な要素とフェティシズムが作品を混乱させている気がしました。いや、これが持ち味なのかも。もしかしたら2回目読んだ時にはもっと楽しめる作品なのかもしれません。完成度の高いミステリーなのは事実です。

【名言】

考え中



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