タイトル

神去なあなあ日常

本

三浦しをん

◆あらすじ◆
母親が息子を田舎に強制派遣

●感想

 またまた傑作です。流石三浦しをん。これは田舎の話。都会育ちの今時の感性をもった少年の成長物語。三浦しをんの何が凄いってこの研究力。本質をきっちりと把握する。それが出来ないなら執筆しない、くらいの覚悟があるのだと思います。だから不快にならない。綿密な取材と緻密な構成に裏打ちされた作品です。
 主人公は横浜育ちの特に取り柄も夢もない高校生。高校卒業後はフリーターになるはずだった。ところが彼の意志(?)を無視し高校の担任が勝手に就職先を決めてきた!それも携帯が意味をなさないような山奥!嫌がる本人と喜ぶ母親。そして嫌がる息子を説得というか脅迫する方法がまた秀逸。思わずクスッとするし、自分でも脅しに屈してしまうと思います。そんなこんなで少年は渋々ながら山奥に働きにいくのでした。
 携帯が使えないような田舎なんて日本にはもうほとんどないでしょうね。私の出身地もかなりの田舎ですが携帯は使うことができました。都会のど真ん中で育った少年がこういった土地に行くとどうなるのか。答えは"慣れ"ます。人間って凄いですね、余程過酷な状況でも適応できちゃうんです。慣れてしまえば携帯なんかなくても案外楽しく過ごせることに気づきます。携帯は便利な反面、枷にも成り得ます。「どこにいてもつかまる」というのは「どこにいてもつかまえられる」ということです。また、これのせいで心労が増えている人も多いと思います。既読スルーだとかなんだとか。携帯でコミュニケーションとることに疲れたらこれを捨ててみるのも1つの手かもしれません。都会にいたら難しいかもですが田舎なら可能です。そして田舎って以外と美男・美女が多いかもしれませんよ★
 最初はイヤイヤだった少年も段々と田舎を愛するようになります。そして田舎の人たちもそんな彼を認めるようになります。閉鎖された田舎では余所者に対する当たりは冷たいものです。ですが少年の親愛が伝わった時、相手の態度も軟化します。只のプータロ―が1人の男として成長していく、自然とユーモアと満ちたなあなあな物語です。

【名言】

準備中



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