タイトル

死神の浮力

本

伊坂幸太郎

◆あらあらすじ◆
死神が死を与えるか審査する

●あらすじ

 死神の精度の次作です。死神の千葉さんが対象者に1週間張り付いて死ぬかどうかの可否判断をします。大体は「可」ですが今回はキャンペーンを実施中のため「見送り」を気持ち増やして欲しいようです。もちろん普段から見送りにしてもいいのですが、よっぽどのことがない限り死神たちは「可」にします。だからまぁそのよっぽどをちょっと弱めに設定してくれと言ったところでしょうか。
 今回の対象者は娘を殺された作家・山野辺さん。山野辺さんたちは娘を殺した犯人の本城という青年に私刑を下そうと思いました。そのため裁判では「無罪」になるように細工し、本城を司法の手から逃そうとします。努力が功を奏し本城は罪を問われず娑婆に戻ります。ここから本城と山野辺さん夫妻の追いかけっこが始まります。
 この本城という男は他人を支配することに生きがいを感じます。そして他人の気持ちに共感ができません。いわゆる流行りのサイコパスと呼ばれる人間です。他人に共感ができないから普通の人にできないことでもできる。例えば子供を殺して、その親に殺害したシーンを撮った動画を送ることなどです。「狡猾なサイコパス」それが本城です。
 死神の千葉さんは人間じゃない為、結構人間離れした発言や行動をしますが何故かみんなさほど気にしません。勢いでなんとかなっちゃってます。自転車で車と同じ速度で走るだとか、膝をえぐられても普通に歩くだとか。この辺の「ん?」はあまり突っ込んではいけないようです。
 伊坂作品でこの手のタイプ(サイコパス)はマリアビートルに出てきた王子も該当します。こいつも本城に負けず劣らずの胸糞野郎でした。本作ではしっかりカタルシスが用意されているので安心してお読みください。

【名言】

 「人間は、その日を摘むこと、日々を楽しむことしかできないんだ。というよりも、それしかないんだよ。なぜなら」なぜなら、人間はいつか死ぬからだ。



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