タイトル

天使の梯子

本

村山由佳

◆あらすじ◆
高校時代の教師と歳の差恋愛

●感想

 何度目になるかわからない再読です。高校生の頃が1番村山由佳にはまってました。最初に読んだのはおいしいコーヒーの入れ方シリーズですが。そういえばコレって『天使の卵』の続きだけど、だいぶ経ってから出た気がする。と思って今調べてみたら卵が1996年、梯子が2007年、なんと10年もの月日が経って続編が刊行されてる!10年っていったらアレだ…生まれたばかりの子供が生意気言うようになる年月であり、18歳だったニートが28歳のニートになるくらいの年月だ。
 作中も前作から10年くらい経ってる設定です。前作からの登場人物たちは大人になってました。ヒロインは前作では脇役だった夏姫。主人公は彼女の教師時代の教え子・フルチン。2人は恋に落ちますがその歳の差は8。誰かさんたちと同じ歳の差なわけです。10年間ずっと苦しんできた彼女はやっと救いを見つけます。
 なんだか歩太の成長っぷりが凄まじいです。大人の男の風格が醸されまくってます。そりゃこんなのが自分の彼女と喋ってたら気が気じゃなくなるでしょう。みっともない男の嫉妬ってやつです。嫉妬してるヒマがあったらその男に負けないくらい努力して男っぷりをあげればいい、というのは正論です。でも彼女は「今」とられそうなんです、悠長に成長してる時間なんてないんです。そしたら縋るしかないじゃないですか。彼女の優しさに訴え、同情を買うしかないじゃないですか。あ~格好悪い。こんなことにならないために日頃から努力せねばなりませんね。どんな男が現れても動じないくらいの男になればいい、それが理想。
 歩太とフルチンと夏姫が一緒に飲むシーンが印象的です。フルチンがスケッチブックを見て動揺しページをクチャクチャにしてしまう。それを歩太が慈愛に満ちた手つきでページのシワを伸ばす。前作から読んでる人ならわかりますが、彼の褪せない愛情が窺われます。一生褪せることはないのでしょう。どこぞの魔法学校の先生も「永遠に」と言ってましたからね。どうしようもない思いほど強い想いはないのでしょう。
 たまには若い頃を思い出すような甘酸っぱい小説を読みたい人におすすめの小説です。社会に毒された人々もたまにはデトックスして体から毒気を抜いてみると気持ちいいかもしれませんよ。

【名言】

 初めから期待をしなければ、失望しなくて済むのだ



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