タイトル

グリード(下)

本

真山仁

◆あらすじ◆
アメリカを買い叩く!

●感想

 今回の舞台はアメリカ。それもリーマンショックの真っ只中です。リーマンショックの影響で投資銀行は軒並み機能しなくなり、米国の金融はストップしてしまいます。これを機にとアメリカのシンボルとでも言うべき企業の買収を企てます。あらゆる障害が立ち塞がりますが、いつもの予見能力と深謀遠慮、抜群の人使いでクリアしていきます。
 前作のレッドゾーンは中国が舞台で、今作は米国でした。だからか今作「グリード」の方が面白かったです。リーマンショックという耳慣れた言葉もそうですし、やはり米国の方が想像しやすい。というか中国の名前は憶えづらい(←バカ)。さて、アメリカといえば世界の中心であり経済の中心。それは投資銀行のお陰だと言って憚らない金融マンたち。実際そうなんでしょうね。彼らには世界を動かしているという自負とプライドがある。報酬もとんでもなく貰っているようです。そんな彼らがしっぺ返しを食らったときどう反応するのか。見物ですよね。
 これを読んで改めて世界は繋がっているのだと思いました。「世界恐慌」の言葉通り、ある国の破産は決して当事国だけの問題ではなく、世界に影響をもたらします。それが世界の盟主アメリカであれば影響は甚大です。実際に破産後の受け皿としてあらゆる国の企業が名乗りを挙げていました。助けるつもりなのか、儲けるつもりなのかはわかりませんが。
 鷲津の元には優秀な人間が集まります。優秀な人間しか採用しない、というのもあるのでしょうが。今回初登場のアンソニーもその1人。いいとこの坊ちゃんですが中々どうして骨があります。故・アランウォードの後釜になるのは彼でしょう。アランというナイスキャラが死んで「いた方が絶対面白いのに!」と思ってた私にとってはまさに待ち望んでいたキャラです。彼は鷲津のことを尊敬しつつも彼を超えようとしています。それが前島との相違点です。
 そして印象に残ったのは堀さんを助けるシーン。鷲津の堀さんに対するリスペクトを感じました。あまり人に心酔しない鷲津ですが唯一堀さんは特別な感じがします。文中にもありますが父のように思っているようです。どんなことをしても堀さんだけは助ける、そんな気概が見られました。堀さんのためなら大統領すら一顧だにしないようです。

【名言】

 負けて、勝つ



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