タイトル

ジェノサイド -上-

本

高野和明

◆あらすじ◆
人類を超えた生物を守るか、殺すか

●感想

 久々の五つ星です。高野和明作品は初めてですが文章の雰囲気が自分の肌に合いました。物語は世界規模の壮大な話。アメリカとアフリカの海外パートと日本パートが交互に同時に進んでいきます。アフリカパートの主人公は不治の病に侵された息子をもつ傭兵。日本パートは薬学部の大学院生が主人公。一見なんの接点もない2人ですが必然的に接点が生まれます。果たして2人は目的を達することが出来るのか。
 あまり海外が舞台の話って好きじゃないのですがこれはハマりました。アメリカが超大国と言われる所以がわかった気がします。とにかく情報の収集・保持が凄い。CIAは有名だけどその他にも国のための組織がなんと多い事か!日本にも公安警察や自衛隊はいるけどどうなんだろ、雲泥の差かもしれないです。
 作中に出てくる科学者が書いたレポートがあります。中身は世界が滅亡する可能性について。物語とはそこまで関係はないですが現実にありそうなのが核戦争。今世界に現存する核の量で人類は十分に滅亡するらしい。たとえ発射の権限を持つ人が死んでも報復装置なるものがあるらしく、核は自動で発射されるみたい。しかも核でも核を発射する施設を破壊することは出来ないとか。恐ろしい世の中になったもんだ。夢物語じゃなく本当に起こりうる話ですからね。だって物はもうあるんだから。あとは人間のモラル次第。というか核保有国のトップの人間性次第。人間のケンカのせいで死に絶えるなんて動物たちにははた迷惑な話ですよね。
 アメリカ大統領という人類のトップみたいな権限をもつ人間はどんな人格でなければならないのか。果たしてそんな重責を完璧に負える人間がいるのか。権力はあれば使いたくなるに決まってます。本作に出てくる大統領は正直分不相応です。しかしもし本当にアメリカ大統領がこんなことやっているとしたらぞっとします。いや大統領がというか人間の残酷な想像力にぞっとします。今もきっとどこかで拷問が行われ、鬼畜みたいな人間に虐げられて苦しんでいる人がいるでしょう。そこに「ここに人間はいなかった、1人もな」とか言って人間を皆殺しにする霊界探偵が現れて欲しいものです。仙水もミギーも人間が悪魔に1番近いと言っていましたが本当にそうなのかもしれません。人は生きてていいのか、そんなことを問いかける小説です。

【名言】

考え中



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