タイトル

武士道ジェネレーション

本

誉田哲也

◆あらすじ◆
あれから数年後

●感想

 武士道シリーズの最新作、最終巻かも。これまでは1年刻みでしたが、大きく時を経て主人公2人は大人になっています。シックスティーンとかは高校時代を描いただけあって青春色がかなり強いものでした。ですが今作ではみんな大人。続きというよりもアフターストーリー的な側面が強いかもしれません。それにしては内容は結構濃いです。
 ん〜メインストーリーは香織が桐谷道場を継ぐ話でしょうか。それを早苗が支えるという図式。早苗は結婚して幸せそうな新婚生活を送っています。一方香織は師範として勤めている桐谷道場の閉鎖の危機に直面しています。このご時世後継者がいないため閉めるというケースは珍しくありませんが、ここは違います。後継者になりたがっている者もいるし、それにふさわしい実力を持っている者もいます。ですが当主が閉めるといって聞かないのです。それには深い理由があります。
 この桐谷道場には暗い一面があります。全体的には明るくポップな青春小説なのですが、そこは誉田哲也、不気味なテイストも含ませています。その暗い一面が道場の存続理由に大きく関わっています。少しネタバレするとここを継ぐ資格は剣道が強いだけではダメなのです。あらゆる暴力を制する力が必要で、その技術の習得が必須条件のようです。まるでハンター試験のようですね。「強い」こと、それがハンターになるための最低条件。そしてそれは念能力の習得という具体的な形で表れています。というわけで香織は念能力の習得に励みます。
 ポヨヨンとしていた早苗はもちろんその要素もありますが、大学での学びがしっかり彼女を成長させています。自分の意見を持ち外国人とも議論を交わせるようになっています。ただの流されバカ女ではないのです。香織は剣道はもちろん、念能力の習得で同世代のライバルとは一線を画す強さを手に入れようとしています。強さとはなんぞや。武道とはなんぞや。その明確な答えがここに書いてあります。もちろんそれが万人にとっての正解ではないのでしょうが、一つの答えではあると思います。一冊の中にあらゆる要素が詰まっていて読み応え十分な作品です。前作を読んでいればより楽しめますのでそちらも合わせてどうぞ。

【名言】

考え中



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