タイトル

ガソリン生活

本

伊坂幸太郎

◆あらすじ◆
望月家とデミオの日常

●あらすじ

 伊坂色の強い作品でした。期待どおり面白かったです。車が意志を持っていたら本当にこんな感じなんだろうな、と思いました。そして車に意志がないとは断言できないため、この現実社会でも車は思考しているのかもしれません。
 望月家の家族構成は母親と息子2人に娘1人、そして緑色のデミオです。母・郁子は未亡人でありながら子供3人を育てる肝っ玉母ちゃん。長男は大学生の良夫、名前の通りお人好し。長女のまどかは高校生で彼氏持ち。末っ子次男の亨は小学5年生ながら家族で1番聡明。考え方は大人顔負けです。この4人家族+デミオのちょっと変わった日常を描きます。舞台は仙台です。
 車が喋るという点が秀逸です。車通しで喋れるから場合によっては運転手よりも世間の情報に明るい場合があります。もちろんそれを運転手に伝えることはできません。あくまで車通しでしか喋れないのです。ここがもどかしくもあります。例えば渋滞の原因などは車の方がよくわかります。渋滞の原因を目の当たりにしている前の車から伝言ゲームのように後ろに伝わるからです。また対向車も教えてくれます。「この先で事故があったから渋滞してるぜ」とかです。
 車が意志を持っているなら交通事故は起こらないと考えられます。ですがどうやら事故を起こす時、車は既に意識を失っているようです。周りの車には同情されます。また、車独特の言い回しもユニークです。例えば人間の驚いた時の表現で「開いた口がふさがらない」と言いますが、これを車流の慣用句にすると「開いたボンネットがふさがらない」です。きっとこれを考えている時ニヤニヤしてたんだろうな〜と想像できます。
 伊坂作品なので人は死にますが基本的に幸せな話です。最後のエピローグはグッときます。読後が明るく楽しい気持ちになりたいという方にオススメの小説です。

【名言】

 いいかい、人間のやることの九十九パーセントは失敗なんだ。だから、何にも恥ずかしがることはないぞ。失敗するのが普通なんだからな。



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