タイトル

代償

本

伊岡瞬

◆あらすじ◆
サイコパスに人生が壊される

●感想

 いやらしい小説でした。タブー視されてるけど人が興味を抱かずにはいられないこと、見たくないけど見たいもの、そんなモノが描かれている作品です。主人公は普通の家庭に生まれましたがある日から人生が一変します。
 主人公の奥山圭輔と安堂達也は遠い親戚にあたります。圭輔は大人しく成績優秀タイプ。達也は体育が得意なちょっと不良タイプ。この達也というのがクセが強いんです。金八先生の兼末健次郎、マリアビートルの王子、白夜行の渡部篤郎…みたいなタイプといえばわかるでしょうか。小さい頃に自分がやられて嫌なことは人にしてはいけない、と多くの家庭で教えられることがあります。これが全く通用しません。親の教育が悪いのもありますが、それだけではありません。おそらく天性のものです。人が嫌がることをするのが生きがいで、それに無上の喜びを感じる。また、それが例えそれがいけないことでも、理性が利かず欲望を優先してしまう。手を下すのは取り巻きで自分は泥をかぶらない。あげればキリがないほど計算高い悪人です。
 この小説のカタルシスは悪人に罰が下るところだと思います。それも今までの自分の行いを加味した罰。とても死刑では足りないくらいの罪を犯した人間に対する罰はどうやって下せばいいのか。マリアビートルはその点が特に秀逸でした。このカタルシスの点において、代償は少し劣ります。
 ラストが少し弱いですが、全体的に面白い小説です。気持ち悪いという人もいると思いますが、それでも気になって読んじゃうと思います。なかなかお薦めです。

【名言】

希望が持てないならはじめからあきらめるのが最良だ



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