タイトル

空中ブランコ

本

奥田英朗

◆あらすじ◆
精神科医・伊良部の診療第二弾

●感想

 伊良部シリーズの2作目です。相変わらずのぶっとびっぷりと結果オーライな結末です。短編5作が収録されてて1番印象に残ったのは義父のヅラでしょうか。
 義父のヅラでは大学の同期が診察の対象となります。彼はやってはいけないことをやりたくなってしまうという悩みを抱えていました。その最たる例は義父であり職場では上司にあたる教授のヅラを指摘したくてしょうがない、というもの。もうバレバレすぎて公衆の面前で取ってやりたい気持ちを必死に押さえつけています。ん~大変そう。果たして伊良部はこの患者をどう治療するのか。
 当然同期ですからこのヅラ教授とは伊良部も顔見知りです。提案する解決策はこう。「やっちゃえばいいのに」もしくは「別なやっちゃいけないことで発散しよう」とのこと。別なことをやるんですがどうにもそれじゃ収まらない。遂に伊良部は母校に行って教授の寝てる隙に同期とヅラを外すことにするのだった!
 ちょっとズルいのは伊良部はバレたとしても義父でもないし、その病院に勤めているワケではないのでほとんどリスクがなかったこと。同期からすればたまったもんじゃないでしょうね、人生が変わってしまいます。安泰な人生から一気に転落。しかも伊良部は父親が医学界の重鎮のようで教授すら頭が上がらないよう。当然その息子の伊良部にも甘々。というより若干媚びてる。父親の権力はかなり大きいようです。別段それを利用してる様子はありませんが。
 2作読んでみて思うのは伊良部は子どものように行動力があることです。患者の話を聞いてすぐ自分もしたくなっちゃう。空中ブランコだったり、野球だったり。そして患者は伊良部に振り回されても怒らない。諦めてしまいます、あ~しょうがないこの人はこうゆう人なんだ、と。得な人柄ですね~こうなりたい。でもこれは天然以外許されないでしょうね。このキャラのマネを計算でしようもんならきっと見破られ、仕舞にはもの凄く侮蔑&嫌われるでしょう。どう育てればこのような大人になるか。それを知るために子供時代の話を書いてくれないかな、と考える今日この頃。

【名言】

考え中



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