タイトル

望郷

本

湊かなえ

◆あらすじ◆
白綱島の生活

●感想

 湊かなえの作品でハマったのは告白しかありません。本作もハマりませんでした。なんか全体的に印象が"暗い"です。暗い小説が嫌いなわけではないのですが、どうにもハマりません。白綱島の様々な住人の生活を描くのですが、それぞれ違った闇を抱えています。
 一番印象に残った話は白綱島を出て本土で歌手として成功した青年の話です。青年は子供の頃いじめられていました。自分が悪いわけではなく母親が父親を殺してしまったからです。島を早く出たくて出たくて仕様がなくて、島を出るために努力をして本土で就職することができました。最初は普通のサラリーマンでしたが、路上で歌っている内に注目され歌手として成功します。
 ある日、彼をいじめていた同級生から連絡がきます。用件は自分の会社のパーティにゲストとして出てくれとのこと。その会社では女手一つで育ててくれた母親が働いています。昔自分をいじめていた奴が有名になった自分に頼み事をしてくる。本当は嫌だけど母親が会社で世話になっているため、母親の立場のために出席することにします。いわば人質です。物語後半ではそれが逆だったことがわかります。青年は母親の大きな愛に守られていたのです。どういうことか知りたい人は読んでみてください。
 湊かなえが好きな人ってきっとこういう雰囲気が好きなんだと思います。似ていると感じたのは三浦しをんの『光』でしょうか。物語に常につきまとう人の薄暗さ。現実的といえばそうなんですが、小説の中でくらい明るい話を読みたいのです。

【名言】

 それでも、不安なら、もっともっと昇ればいい。昇れば昇るほど、石を投げてくる人が増えるだろうけど、投げ上げた石はあんたには当たらない。投げた本人にかえってくる。



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