タイトル

ビート 警視庁強行犯係・樋口顕

本

今野敏

◆あらすじ◆
家族なんてどうでもよかったはずなのに…

●感想

 家族と仕事のお話です。とても面白かった。ストーリーは警視庁捜査2課に所属する島崎が捜査先の銀行員から長男の就職を盾に捜査情報を渡せ、と脅される所から始まる。脅しと懇願に屈しほんの少しだけ情報を流してしまう島崎。それが原因からか結局銀行の不正を暴くのに失敗する捜査二課。島崎は自責の念にかられつつ、二課内で情報を漏らした犯人探しが行われることに怯えていた。そんな中、島崎から情報を聞き出した銀行員が殺される。これで問題はなくなったと思った島崎だったが…
 いろんな問題が詰まっていました。事件は簡単なもので犯人も別に大事ではありません。この小説の肝は事件を取り巻く家族です。その家族とはもちろん島崎家。父親である島崎と長男はゴリゴリの体育会系で上下関係に厳しい環境で育ってきた。そのため長男はその銀行員も大学の柔道部のOBであるため逆らうことが出来なかった。また、父親は長男の将来が心配で後輩であるはずの銀行員の脅しに屈することしか出来なかった。そんな姿を情けないと思ったのが次男の英次だった。
 英次は島崎家のはねっ返りで家族とは没交渉だった。島崎は英次の扱いに困ったおり、何もせず見て見ぬふりをしていた。当の英次は上下関係のしがらみに囚われ、どうすることも出来ない父親と兄にうんざりしていた。家族との関係を断ちどうでもいいと思っていたはずなのだが、上下関係を利用し情報を手に入れ、それを脅しに使う銀行員に対して反発を覚える英次。そんな英次が起こした行動とは…
 どんなに断絶状態であっても家族とは特別なもののようです。少なくともこの次男にとってはそうで、同時に彼には漢気が満ちていました。どんなに嫌いであっても家族のピンチは見過ごせない。どうにか出来るのが自分しかいないならば、自分がやるしかない。そう考え行動をする彼に少し感動しました。思い込みが激しい父親、しがらみに潰されそうになる長男、そしてちょっとグレている次男、そんな島崎家が家族の絆を取り戻すストーリー、ビート-警視庁強行班・樋口顕-一読の価値アリ!!

【名言】

準備中



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