タイトル

売国

本

真山仁

◆あらすじ◆
国を裏切っているやつを探す

●感想

 このタイトルと真山仁ということで直ぐに買いだと判断しました。直感通り面白かったです。本作はとてもスケールの大きい話で国を憂う話です。
 プロローグは戦後から数年。日本のフィクサーとも呼ぶべき人物が目をかけた若者に指示を出します。今後の日本の産業についてです。宇宙産業こそが国の大黒柱になる、とフィクサーは言いました。そのために若者には省庁に入り、力を持つように指示しました。プロローグはこんな感じ。
 この指示を受けた若者が主人公かと思いきや全然そんなことはありません。主人公は2人いて1人は検事。もう1人は宇宙工学の勉強をする女学生。主人公の2人は作中で一度も接触しません。まったく別のパートなのです。検事側は東京地検特捜部に所属することになります。泣く子も黙るそうです。女学生側は宇宙工学の勉強をするために航空宇宙科学研究センターで第一人者に師事することになります。読んでて面白いのは検事パートです。次の作品では是非検事ものを書いてもらいたいです。絶対面白い。
 宇宙産業は夢のある事業ですがやはり生くさい話のようです。どんなリターンがあるかはまだ誰もわからない。でも研究には莫大なお金が必要。そりゃ出資者は躊躇するし数は少ないでしょう。国の産業にするにしても知っての通り日本は問題だらけ。例えば宇宙産業に500億円の予算を出すとして、一般人としては「そんなわけわかんないことにお金出すより、まずは待機児童をなんとかしろ」とか至極当然のことを思うとおもいます。それはそうですよね、宇宙なんてほとんどの人には関係ないことですから。日常の生活の方が大事に決まっています。シングルマザーとか雇用の問題とか。しかも500億円って超大金ですが多分宇宙産業の人にしてみれば少なすぎるくらいの予算でしょう。夢を取るか現実を取るかで言えばそりゃまずは現実の問題を解決する方が優先でしょう。
 期待通りの面白さでした。個人的には主人公は1人で検事だけで良かったです。まぁ大筋は宇宙産業の話だからそっちの話もなきゃダメなんでしょうが。だから検事が主人公のゴリゴリの検事物が読みたい。そういう小説って既にありそうですね。ググってみよ。

【名言】

 国破れて正義あり



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