タイトル

13階段

本

高野和明

◆あらすじ◆
死刑囚の冤罪を証明

●感想

 ジェノサイドが面白かったので違う作品にも手を出してみました。ジェノサイドほどじゃないにしろ面白かったです。でも普通に面白いくらいかな…あ、でも勉強にはなったかも。死刑制度についてとか。死刑囚についてとか。小説読むだけじゃそこまで勉強にならないけど、読んで興味持てれば調べて知識になるからね、そこが読書のいいところ★
 さて、物語の主人公は傷害致死罪で服役し保護観察となった20代の青年。準主人公は刑務官のおじさん。この2人がある死刑囚の冤罪を晴らすのが物語の趣旨。結構重たい話です。
 2人の共通点は人を殺したことがあること。主人公は飲み屋でからまれ傷害致死、おじさんは刑務官の仕事で。このおじさんの過去の話が1番印象に残りました。1回目の仕事の時は囚人の首に縄をかける係り。覚悟してたとはいえ囚人が極限状態で暴れ出します。これから確実に死ぬ、という恐怖は筆舌に語り難いものでしょうね。経験したことがある人でなければわからない。でも経験したことがある人は生きていないというこのジレンマ…経験談を聞かなくても想像するだけで怖いです。絶対経験したくないです。悪いことはしないでおこう。
 暴れる死刑囚の首に縄をかけたおじさんはトラウマで眠れなくなります。酷な仕事です。おじさんも仕事を全うするために、自分を納得させようと事前準備も怠りませんでした。つまり、死刑囚の犯した極悪非道の所業を資料で確認し、こいつは殺さなければならない、と前日には自分を納得させるだけの理由をちゃんと確保していたにもかかわらず心に大きなダメージを負いました。
 殺人を理性で納得させるのは難しいのかもしれません。例えば愛する人が殺されたら殺した相手を本能で殺したくなるでしょう。でも、実害を被っていない場合だと、理性で自分を納得させるしかありません。殺さなくちゃいけない、という理性は限りなく弱い気がします。なぜなら普段は理性でそういった衝動を止めているからです。インスタントな理性は、人を殺してはいけないという倫理に基づいた自然の理性に敵うはずがありませんね。
 日本に死刑制度がある限り確実にこういう仕事をしている人はいます。もちろん覚悟の上でその仕事に従事するのですが、実際にやってみるまでどれほどそれが苦痛かはわからないでしょう。善良な市民にそんなイヤなことさせないためにも真っ当に生きていかなきゃね!

【名言】

考え中



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